“クマを指定管理鳥獣に”伊藤環境相 表明
クマを「指定管理鳥獣」に追加するとした検討会の提言を受けて、伊藤環境大臣は「検討会の方針を受け止め、関係省庁や都道府県などと連携して必要な対策を速やかに実行する」として、クマを指定管理鳥獣にすることを表明しました。
検討会の提言が出された後に取材に応じた伊藤大臣は「都道府県などにより、クマの個体数のモニタリングや人の生活圏への出没防止のための環境管理など、捕獲に偏らず被害防止の取り組みを地域の実情に応じて実施してもらう。環境省はそのための技術的、財政的支援を行うことで科学的知見に基づく、クマの被害防止策を推進し、国民の安全安心を確保する」と話していました。
環境省は今後、四国地方を除いてクマを指定管理鳥獣に追加するための省令改正の手続きを行い、例年、クマが冬眠から覚めるとされる4月中に施行する方針です。
クマを「指定管理鳥獣」追加提言 環境省の専門家検討会
クマによる被害が過去最悪となる中、環境省が設置した専門家による検討会は、クマを「指定管理鳥獣」に追加し、生息状況を適切にモニタリングした上で捕獲することを国が支援すべきだとする対策方針を提言しました。
被害にあった人が最も多かった秋田県をはじめ北海道や東北の自治体は去年11月、国に対し、クマを指定管理鳥獣に追加し、捕獲や調査などにかかる費用を国が支援する対象にしてほしいと要望しました。
こうした要望を受けて、環境省は去年12月から専門家による検討会で議論を進め8日、検討会としての対策方針を提言しました。
検討会が提言した方針では、クマの分布は本州などの広い地域で拡大傾向にあり、今後、人身被害がさらに増加するおそれがある一方で、四国では絶滅のおそれが高いとしています。そのため、四国を除く地域で、クマを指定管理鳥獣に追加して国が捕獲や調査などの管理を支援する必要があるとしています。
そして、すでに指定管理鳥獣であるニホンジカやイノシシは繁殖力が高いため、捕獲して半減することが目標とされているのに対し、クマは繁殖力が低いため分布や個体数などについてモニタリングを定期的に実施し、目的を明確にして過度な捕獲はせず限定的にする必要があるとしています。
また、人とクマの空間的なすみ分けを図るため、これまで対策の基本とされた人の生活圏に侵入したクマなどを排除することに加え、人とクマの生息域の間に木を伐採するなどの環境整備や個体数管理を強化した「緩衝地帯」を作り、人の生活圏への侵入を防ぐことも必要だとしています。
クマの指定管理鳥獣追加 北海道で歓迎の声、「地域に沿った支援を」
全国で相次ぐクマの人身事故に対応するため、捕獲や生態調査に国の交付金が出る「指定管理鳥獣」にクマが追加される方針が8日に決まり、北海道内ではヒグマ対策の進展への期待が高まっている。一方で、支援の内容がまだ分からず、地域の実情に沿ったものになるか不安視する声も出ている。
鈴木直道知事は昨年11月、他県と連携して指定管理鳥獣への追加を国に要望しており、「スピード感を持って対応をいただいたことに感謝を申し上げたい」と評価した。より精度の高い個体数調査や詳しいモニタリングへの財政支援が充実すれば、「絶滅を防ぎながら、地域で何頭捕獲すれば市街地出没を抑制できるか割り出し、人とクマのよりよい環境につながる」(道ヒグマ対策室)との期待も高まる。
約197万人が暮らす大都市・札幌市でも、ヒグマの出没が相次ぎ、2021年には市街地に出没したクマに襲われた4人が負傷している。秋元克広市長はこの日の記者会見で、追加指定について「クマ対策への大きなひとつの転換点になるのでは」と言及。「今後、環境省から出される方針に沿って、北海道とも連携をしながら市民の安心安全を守っていきたい」と話した。
ただ、支援の内容がまだ分からないことについて道の担当者も「白紙の状態」と表現。鈴木知事は「地域の実情を踏まえた取り組みになるように、東北各県とも連携をして、国に(支援を)求めていきたいと考えている」と述べた。(古畑航希、松尾一郎)
最後に
熊による人への被害が増えていることより、国は地方ともに頭数管理(削減)し熊との接触を減らす事に賛同する方向の考えに向いているように感じます。
実際に生息数もはっきりはわからないとの事ですので、調査に生息数の把握した上で、人間と共有できる方向性を見出せるようにして行きたいものです。
日本狼や四国の熊のように絶命させてしまうような事はないようにして行きましょう
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